NO PANDA NO WAKAYAMA
和歌山にパンダはもう居ません、じゃあ何を見ればいいの!?それは道です。 ベレー帽ですこんばんわ。
KAWAII文化とは真逆だが、現に俺は来たのだ。
今も昔も和歌山は熊野古道を推しています。
蟻の熊野詣。
伊勢へ七度、熊野に三度、愛宕様には月参り。
私はバスで巡りましたが、歴代上皇が徒歩なのに33回も参るとはいったいどんなところなのか?気になるよね〜?
高野山と違って、熊野のアクセスは令和においても険しく、高速道路が途中までしか通っていません。電車でも車でも飛行機でも大変です。
たしか東京から一番時間が掛かるのが、三重県や和歌山のこの熊野のあたりだそうです。確かに石垣島でさえ3時間半なので。南紀白浜空港を使ったとしても遠い。ここの公共交通が厳しいので嫌いな団体ツアーにしているくらいなので。
さて熊野三社というくらいなので三つあるのですが、推奨されるのは熊野本宮→熊野速玉→熊野那智の順となっております。
いぢわるなクラブツーリズムのツアーでも順番はその通りでした。
ただ……。なんというか肝心のところが今一つといった印象。
添乗員「大斎原おおゆのはらは車窓となりまーす」
えー。 俺そっち側の窓ですらないし
熊野本宮大社の駐車場にはこの看板あるので、普通に行かせてくれー。いぢわるーと思いました。 昼飯をキャンセルしたら1時間作れるだろ!
日本一の大鳥居で、明治の大水害前はこちらに本宮があったので、本来、正しい聖地としてはこっちこそなのです。ネットより拝借。見たいよこれ。徒歩5分なのに!
明治までは現在のような陸ではなく、中州にあったのです。
熊野三社は本殿こそあるものの
御祭神としては三社は
家都御子神
熊野速玉男神
熊野牟須美神
とされていますが、どうもはっきりしないというか、どう見ても後付けの神。時の権力の都合でスサノオ、イザナギ、イザナミを割り当てたり、阿弥陀如来、薬師如来、千手観音とされていたりブレています。
行けば分かるんですけど、明らかに熊野は那智の滝が御神体なのです。
多分、ここに人型の神様は居ない。富士山信仰みたいなもので自然崇拝に名前なんかないのが当たり前だと思う。
で、この本宮は中州そのものか、熊野川が御神体なのでしょう。
そして、ちょっと川を下りまして瀞峡へ。
鬼怒川ライン下りとか川下りはあちこちありますが、ここの方がだいぶ絶景。しかし船が出てなくて客0です。 バスの車窓からでも柱状節理が凄いのですが、一切観光地として売ってません。そこには日帰り温泉施設があるだけです。 は?こんな柱状節理、東尋坊か玄武洞クラスなのだが?
このくらいの絶景、当たり前過ぎて、和歌山県人は観光地だとすら思って居ないようです。
引き続き海の方へ移動しまして、熊野速玉大社へ。
添乗員「ここは階段が無いので、10分もあればサクッとお参りできまーす。トイレ休憩含みまして、20分後バスに戻ってくださーい」
なわけで、まあそれは良い。時間の長さは関係ないだろう多分。熊野が気にするのは回数なので。
でも私みたいな観光前に、るるぶだけじゃなくて、関連本を読み漁ってから来る人間からすると、
近くに本当の御神体あるんだよなぁ。とか思っちゃいます。 余計な知識が私を締め上げてくるwww
添乗員「神倉神社はあそこにありまーす」
本来の速玉大社の御神体はこのゴトヒキ岩なのです。どうみても神が降り立つ磐座信仰です。これが御祭神だよ!
まあここは急階段で危なすぎるので行かないのは理解できます。クラブツーリズムの客って70代中心だからね。
これを簡単にお参りするための神社があっちだもの。そりゃサクッと回れるわ。
なんでこっちはそんなに悔しがっていないかというと、行かない理由に納得できたのもあるし、
お祭りの日に来た方がいいと思っているからです。あの岩の所から松明持って駆け下りる超危険な祭りです。
ついでに言えば新宮には、他に徐福の墓があるし、路線バス最長の全長約170km休憩3回の片道6時間半。八木新宮特急バスが発着します。
取れ高はあるので、本当にまた来るかもしれません。特に御利益が凄かったお礼参りなどに。
さてこの日は、高野山の朝から始まっていますので、ここでタイムアップ。何故か橋杭岩の近くの串本リゾートまで泊るためだけに行きます。
全くもってその移動の分だけ時間の無駄で、その時間があればせめて大斎原くらいは余裕で見れたんだが?
幾らマージンを貰っているのか知らないが、なんで新宮か那智勝浦で泊まらないんだと非常に疑問。
なんていぢわるな……と思っていましたが、橋杭岩が思ったより良くて納得しました。許した。 駐車場無料、見学無料。つまりただ。
地方ってそういうの良くあって有難いんだけど、もうちょっと邪悪な東京人の悪い所を真似をした方がいい……。
これは弘法大師が天邪鬼と賭けをして、明日の朝までに向こうの島まで橋を掛けれるかの勝負をしたところ、弘法大師が橋の土台をあっという間に完成させたのを見て、これは負けると思った天邪鬼がニワトリの鳴きまねをして、朝が来たと騙したところ、弘法大師が負けを認めて途中で放棄したという……
弘法大師なのに普通に天邪鬼に負けるという珍しい神話です。
空海の隣のカフェは、ケープタウン。 本州最南端に来たつもりが、気が付いたらアフリカ大陸の最南端の喜望峰まで到達していました。
翌日は、ついに熊野古道です。
皇太子時代の今上陛下と、安倍総理とブラタモリとベッキーか。 ベッキーは、いつイッテQに復帰できるのでしょうか。
なるほど、カメラは良いものを使っているが、天気がどうにもならないな。平安衣装を着た野良ベッキーでも居ないもんかね。
幻想的な魔界に通ずるような道の感じは曇りじゃないとですね。
よーし、YAMAP入れて熊野古道、一区間(一王子)だけだけど歩くぞ!
添乗員「歩くの大変なので迎えのバスを途中に待たせてます。写真撮ったら戻ってください」
べれ「うーん。まあいいか!世界遺産熊野古道達成です!」
とはいえ苦労はあえてしなくても、すぐにやってきます。バスを目の前に着けようとも結局は階段をを上らなくては本殿には辿り着けないのです。
熊野那智大社と付随する青崖渡寺
あれが那智の滝か! この距離でも絵力がすげえ。一旦バスに乗り近くに向かいます。
うわ、すげえ。
この凄さは静止画じゃ伝わらないと思う、どんなに良いカメラでも。
今までに見た滝と何かが違う!
これはもう実際に行くしかないと思います。具体的に言うと旅費が10万近く掛かっているのですが、その価値が絶対にある。圧倒的な自然崇拝の姿を感じ取れるでしょう。
これが御神体でなくて何なのか。日本人なら必ず拝んでしまうでしょう。アラーとかキリストとか滝の前では関係ねー。
世界には有名でカッコいい滝は有れど、
中南米ベネズエラのギアナ高地、エンジェルフォール。諸説あるけどこれが世界一約1000mの落差
オーストラリアのワラマンの滝
アメリカのヨセミテ公園アッパーフォール
多分これらは滝に近付けないし、それに多分高さがありすぎる。
人間が見上げるのに丁度いい近さと高さって絶対あると思う。それがこの那智の滝。
牛久大仏の頭の上から毎秒1tの水が落ちてくるのだ。 いや例えが分からんw
那智の滝は落差133mで、直瀑限定にしたり北方領土除外したり都合よく他を排除すると日本一です!
かなり謎の原始宗教だなぁ。 熊野詣が流行ったのも分かる気がする。
そして今回のラッキーアイテムはこれ!牛王法印とか烏文字とか言われるものです。
厄除けにもなりますが、裏に誓約を書くのにも使うようです。破ったら烏が3羽死にます。そして破った本人は血を吐いて死にますw
三千世界の烏を殺し、主と朝寝がしてみたい by高杉晋作
私みたいな民俗学ヲタクには、和歌山大満足なのですが
和歌山に人を呼ぶには、滝とパンダどちらなのか……。
やっぱり和歌山にはパンダが必要だ! 二階なんとかしてくれ!