昭和の団地を見に行こう
ベスコングルメのビールの飲み方の不自然さが、リアルトゥルーマンショーで、余りにもディストピアな現代社会。ベレー帽ですこんばんわ。
基本的に博物館は大体好きで、スポーツ以外なら何でも大体面白いものです。
塙保己一史料館とか、国土地理院とか、興味が無くても入って見ればほほーっとなることもあります。
今回はわりともともと興味がある建築系に行ってきました。
江戸東京たてもの園とか、明治村、深川資料館、浦安郷土博物館、集合住宅歴史館などが有名でしょうか。
建物を移築したり、再現したりしている博物館です。
例えばこれは浦安郷土博物館の屋外展示です。
これとは別に、旧岩崎邸とか前田侯爵邸とか、迎賓館なんかも行ったりします。朝香宮邸なんかは美術館になってしまっていて、建物は逆に見えなくなってしまっています。(そのせいで写真が撮れない)
これは鳩山会館ですが見学するという事で、生活感は大分無くなってしまっています。業績とか勲章も展示しなくちゃなりませんし、博物館的になってしまいます。
そこで今回見に行ったのは、松戸市立博物館です。
ありがちに、石器時代から始めるのですが……そしてそれは何処の博物館で見ても大差ないのですが。
ここには一点だけ見るべき展示があって
それは団地です。
昭和37年の2DKの再現です。4500棟もあったというマンモス団地。(というか建て替えてはいるけど団地としてはまだある)
移築ではなく再現なのですが、狂気の産物で私は見てませんが制作秘話はプロジェクトXでも取り上げられたほどだとか。
なぜか二階のベランダから忍び込むような導線になっていますw 当時の洗濯機は外。
ベランダから中を覗き見る……。
台所へ潜入……。
ガスコンロはあるけど、ガス湯沸かし器は無さそうなので、水で洗うのかな。三角コーナーは既にあるのね。ステンレスとプラスチックが主流になって行くのか。 うちなんて100均の食器ばかりだ。
お風呂は木桶。 ちょっと私の世代でもないのでどういう仕組みなんだろう。まだ銭湯の時代ですからね。家庭で風呂を持つのは最先端。
極めつけはこの二部屋でしょう。 飲みかけのジュースが置いてあり、テレビも放送されているので、
私が忍び込んでいる間に、住人が帰ってきてしまいそうです!
流行りの東郷青児の美人画、セールスに買わされた百科事典。足踏み式のミシン。
姿見付の化粧台は、家はまだ使ってるよ!
なんでも、パンフレットによると(私が行った時は売ってませんでしたのでネットの拾い記事)
この2DKの住人を紹介します。昭和35年(1960年)4月に結婚し、そのまま常盤平団地に入居した兼二郎(夫・29才)、陽子(妻・27才)の2人には、翌年4月に真理子(長女・1才)が誕生しました。
兼二郎は地方都市の商家の次男として生まれ、地元の高校から東京にある大学へ進学、現在は品川にある家電メーカーに勤務しています。趣味は映画と音楽鑑賞、特にフランス映画とモダンジャズを好んでいます。
陽子は東京の勤め人の家庭の末娘として生まれ、都内の高校を卒業して兼二郎と同じ家電メーカーに勤めていました。社内のサークル活動で知り合った2人は昭和34年の秋に婚約し、翌年の春に予定した結婚後の新居を探し始めていました。
当時話題となっていた公団住宅の入居募集を新聞で知り、陽子の母の実家が松戸だったこともあって、池袋の丸物デパートに設けられた公団住宅の入居受け付けで常盤平団地の2DKを申し込み、幸運にも入居の資格を得ました。
設定がしっかりしている!中流階級のエリートなのね。やはりこれくらいやらないとここまでの狂気は再現できないか。
この辺の階段周りは古い雑居ビルにはまだ大分残っていますね。既に完成系w
ふー10分くらいなのに、すごく満足した気分。
産まれても居ないのに分かる強烈なノスタルジー。
これは今まで行った建物系では得られなかった体験でした。白黒じゃないからかな?
見所がここしかないのと、アクセスが悪いし周辺に他の用事も一切無いのでハードルは高いのですが、料金は安いので行く価値はあります。
なんだろう、建物の博物館というよりは、よくSNSでバズる小人の部屋みたいなんですよね。
そうかミニチュアで小さいのに凄い!と思っていたけど、実寸大の団地は中に入れるので、より凄いのです!
他人の家を覗き見するのと、他人の家に不法侵入するのでは……罪状からして上だよな!
次は80年代のアイドルの部屋と、バブルのJDの部屋と平成のコギャルと令和のJCの部屋の再現をお願いします!